【書評】『クイズで学ぶデザイン・レイアウトの基本』(翔泳社)二択で学べデザイン!
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これからサイト制作をするうえで読んだ本の感想をちょっとずつまとめていきます。
初回は『クイズで学ぶデザイン・レイアウトの基本』(翔泳社)
デザインの本を言葉で説明する大変つらいですが頑張ります。
制作とかを考えていなくても読み通せる本
いままさにケーキを食べようとしている女性の顔が大きく表示された二枚のポスター。
「piece of cake」という映画タイトルが女性の顔にかぶるように(タトゥーのように)印字されたバージョンと、ポスター下部斜めに自然な感じで枠を作り、そこに映画のタイトルが表示されたバージョン。
『クイズで学ぶデザイン・レイアウトの基本』の表紙は「映画のポスターのデザインどちらが適切ですか?」といきなり質問を投げかけてくる印象的なものです。
本書の面白さは、そうやって二択で問題を解いていく楽しさでぐんぐん読み進められます。だから、まったくのデザイン初心者でウェブ制作とかを考えていなくても読んでいて面白いので色んな人にオススメ。
もちろんデザインは解答があるわけではありませんが、ある種のルールはあるものです。ビジネス向けのしっかりしたコーポレーションサイトで灰や青色ではなくピンクとか赤を使うなら絶対にその「外し」を言葉で説明する必要があります。
制作を考えている人にはチェック機能として使える本
本書は全5章で構成されていて、それぞれ
- 構成
- 文字
- 色
- グラフィック
- ウェブ
という概要なので自分の苦手分野はどこか把握できて良かったです。
このなかで自分は、フォント関連の問題と「ヨガのショップカード」の問題にしくじりました。どっしりとした安定感のある画像のほうを正解だと思ったのだが女性というターゲットを考えると、流麗な色使いのほうが正解とのこと。
どちらが良いかを感覚ではなくそのデザインがどういう状況で見られるのかを想定した説明が必要なのだと納得しました。
欲を言えばウェブデザインの5章あたりで、どの色を使ったのかも付記してほしかったかも。色の指定とウェブデザインの動向を説明する上では
『Webデザインの見本帳 実例で学ぶ最新のスタイルとセオリー』が最新のサイトを多数掲載していて色の指定も書いていてくれるので役に立ちます。
目的と納得との狭間
しかし洗練されたデザインが必ずしも「売上」とは結びつかないから難しい。
たとえば日本の映画広告なんかはシンメトリーを多用しすぎているとよく言われますが、ターゲットのこと、つまり「売れること」を考えるとそうせざるをえないデザイナーの苦悩もあるそうです。
(最近だとタランティーノの映画『ヘイトフル・エイト』の海外と日本のポスターデザインを比べてみると顕著)
ドン・キホーテ的なお店のPOPやYoutuberで文字をそのまま入れた動画が隆盛を極めているのを見ると、そのなかでどう崩しを入れるかなんてことも考える一冊でした。