『ヒメアノール』など2016年7月に見た映画まとめ
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2016年7月に見た映画の中で印象に残った三本
『ヒメアノール』
たぶん2016年のベスト級。見終わったあと隣の人が「原作には勝てない。以上」とつぶやいて綺麗なお姉ちゃんと出て行ったのを見て、
この映画のキャッチコピー「面倒くさいから殺してもいい」が思い浮かんだけれど、その嫌な気持を凌駕するほど帰り道は場面場面を思い出して涙してしまった。
V6森田剛の演技が凄い。
森田剛は序盤に少しだけしか登場しないという構成のため物語は彼不在で進んでいく。しかし画面や台詞はいかにポップであっても嫌な雰囲気が通奏低音のように流れ、再び物語の舞台に彼が現れた瞬間の寒気は尋常じゃない。
(予告編もその構成をうまく生かした素晴らしい出来となっている。必見)
そういえば大河ドラマ「平清盛」でも彼は異質な演技をしていた。オフビートな不気味さをフルに見せてもらったあと、映画の最後に彼が見せる表情は見る人の心を打つ。
呼び起こされる小・中・高の様々な記憶とともに彼の表情を意味不明と捉える世界もあるんだよな、という思いで映画館を出た。
ヒメアノ~ル Himeanole (2016) 実写映画予告編
『ファインディング・ドリー』のための予習として見たのだけれど、2003年公開当時は、
熱帯魚が泳ぐ映画を見に行ってみんな馬鹿じゃねえのと言っていた気がする。
馬鹿はお前だ。
奥さんがサメに喰われ、子供たちもニモと名付けた卵を除いて全滅という重みの描き方ゆえ冒頭五分間で見る人の心を一気につかむ、
この映画が素晴らしいのは、連れ去られたニモが様々な出会いを通じて成長するのと同時並行で親であるマーリンが海=未知への恐怖を克服していくことだ。
子供の視点だけではなく親の視点を入れることにより子育てとは親子がともに成長していくことなんだとわかる。その教条的なテーマを決して説教のように描かないのがPIXARの素晴らしさである。
『シン・ゴジラ』
1954年に初代ゴジラをスクリーンで見た人の衝撃はこんな感じだったのかもしれない。
様々なことを言いたい。けれど前情報を入れることなく映画館へ向かってほしい。なぜなら1954年から遠く離れた2016年、原初に匹敵する「畏怖」すべき存在に再びスクリーンで出会えるからだ。
そのほか2016年7月に見た映画
- 『日本で一番悪い奴ら』
- 『クリーピー』
- 『アウトロー』
- 『東京上空いらっしゃいませ』
- 『ファインディング・ドリー』
- 『シリウスの伝説』
- 『超高速参勤交代』
- 『セブンスコード』
- 『大脱走』
- 『日本暗殺秘録』
- 『ドラゴンボール復活のF』
- 『4Kで甦る 世紀のご成婚パレード TOKYO1959』
- 『映画の生体解剖 ビヨンド』
- 『ルドルフとイッパイアッテナ』
『映画の生体解剖 ビヨンド』についてはYouTubeで見ることができる。性質上、著作権をガン無視した、けれど論理によって論理を超えたい願望を抱えている人必見の作品なので削除されないうちに見てほしい。
「映画の生体解剖」に関しては以下のリンクが詳しい。
7月に見た映画17本